とうとう、ハイキング中に熊に会いました。
いつも熊やクーガーに会う時のことを考えて、家族では「クーガーフォーメーション」と呼んで、私、ジュリ、主人の順で歩くというルールを守ってきて、今日も山の中はずっと意識してそうやってきたのに、2時間半のハイキングを終えて家のすぐ裏のトレイルまでたどり着いたので、へとへとな私たちより先に元気のいいジュリが先頭を進んで一番初めに、山火事が広がるのを防ぐために作られた町と山を離す開かれた芝のエリアに出た瞬間、左側3mくらい先、すぐそこにいたブラックベアとばっちり目が合ったそうです。
私はその時「もうすぐ家だねー家についたら何食べるー?」なんて主人に振り返って話をしたところで、でも、前を見ていた主人はジュリの異変に気付いて、「ジュリ、どうした、なにかいるのか?」と。
それを聞いて私は慌ててジュリの方を見たけれど、ジュリはものすごく冷静に、そうだ、落ち着いて、と私たちに手で合図。それを見て私に「急いでベアスプレーを準備して」と主人。え!?熊がいるの?ジュリは大丈夫なの?どうしよう?!いっぱい言いたいことがあったけれど、ジュリが落ち着けと合図をしている、震える手で静かにベアスプレーの準備。ジュリはゆっくりと後退り。主人は低くて大きい声でジュリに「ジュリ、ブラックベアか、グリズリーか。」と言うと、ジュリは「ブラックだ」と。
それを聞いて主人が大きな声で「大丈夫だ、ジュリはいいぞ、すごくいい対応をしてる。そのままゆっくり熊に背中を見せずに戻って。大きな声で話すことで熊に僕らがいることを知らせ、熊に別の場所へ移動する時間をあげればいいだけだから。驚かさない、叫ばない、走らない。」と。
ジュリは冷静に数メートル後ろの私たちのところに戻ってきて、「びっくりしたー。血圧上がった、目が完全に合った。熊はのんびりしていた。」と。「小熊だったの?大きいの?」と聞くと「ティーンエイジャーくらいだった」と。「お母さんが近くにいたらどうする?いま私たちが母とあの熊の間に挟まれていたら危ない」と私が言うと、「もう小熊の時期は終わっているから、多分大丈夫、あれは1頭だ。」と主人。
私はジュリが無事に戻ったからそのままみんなで来た道を戻ると思ったら、「ブラックベアだから(グリズリーじゃないから)大丈夫だから、少し熊に時間をあげて進む」と主人。
ベアホーンを1発鳴らして、大きな声で話し続けていると、熊がのっそりのっそりとジュリが熊を見たというところを通り過ぎて行きました。ちらっと私たちの方を横目で見たけれど、そのまままっすぐ進んで行きました。更に時間を少しおいて(背の高い主人が熊の進行をずっと目で追って、ある程度距離ができた時に)前に進むと、熊が水たまりで遊びながら離れていきました。
ジュリは、すごいと思う。
熊への対応の教育は一緒にツーリストセンターでも、ガールスカウトでも、あと多分学校の野外活動などでも繰り返し習ってきたと思うけれど、頭の中で解っているのと、実際に目の前に、しかもトレイルを歩き終わって開けたところに出た瞬間にすぐそこに見た時、私はどんな行動をしただろうか。
主人はジュリのことをすごく褒めていました。ジュリは「熊と目が合った瞬間に、どうしなきゃいけないかと言うことが頭に浮かんだ、叫ばない、急に動かない、驚かさない、目を合わせない、あ、でももう目がしっかり合ってしまった。後ろにゆっくりと下がる。あんまり熊が自分のことを気にしてないようだったから助かった」と。
ご褒美に大きなアイスクリームを買ってもらっていました。
アグレッシブなグリズリーだったら、命が危なかったかもしれない、と思うと、身が引き締まります。
あんなビッグイベントがおこると、それまでハイキング中に撮った写真なんて迫力も何もないけれど、少し載せます。
この時は熊に会うなんて思ってもいなかった私たち。 |
グラウスという鳥(ライチョウ)以前主人が狩ってきたことがある |
先週はこの丘の上に散歩で行ったけれど、今日はトレイルを歩いて下から。 |
ハイキングで熊と会うのはこれで2度目。こうやって回数が増えて行って、町の人たちみたいに「熊なんて大丈夫だよ、何度も見てるよ。」と言うようになっていくんだろうな。
カナダは明日カナダデーで3連休です。昨日まで大雨だったけれど今日は快晴。カナダデーに加えて私たちの暮らす町は誕生50年だそうでお祝いムードです。
今夜は1年に1度の楽しみ、花火大会です。