イースター休暇で図書館も学校も3日間お休み。
真ん中の土曜日、朝カーテンを開けると粉雪がまた薄く積もっていたけれど、晴れて気温が10度近くまで上がるというのを天気予報で知って、ジャスパーナショナルパークまで出かけてきました。
この時期のジャスパー。
私は野生のクロッカスがとても好きで、うちの町の方には生えないのだけれど、ジャスパーでは見たことがあったので、クロッカスが見たくてジャスパー行きを提案しました。
町を歩いてランチをとってから、ツーリストインフォメーションセンターに寄って、クロッカスのたくさん見えるトレイルを教えてもらって、そこへ。「もう熊が出ているから、気を付けるようにね。」とセンターの人に言われ、長い冬の終わりを感じました。
湖を見ながら歩ける約7キロのトレイルを歩くことに。
気温が11度まで上がって、とても気持ちがいい気候で、トレイルがループになっていて2キロとか短いものも選べて、他にもトレイルを歩いている人たちがいたので、熊の心配もあまりしなくてすみました。
日差しがたくさん当たる芝生のエリアにクロッカスがたくさん咲いていて夢中で写真を撮りました。この毛がふわふわの花と茎。まだまださみしい、色の少ない地面に咲く春一番のサイン。ジュリもかわいいねぇと言って写真を撮っていました。
何度似たような湖を見ても、その色の美しさに声をあげてしまう、このロッキー山脈の湖。夏を想像してワクワクしてきました。私たちの町の湖はまだまだ雪と氷が多いけれど、この湖はしっかり溶けていました。ジャスパーの方が暖かいのかな。
この写真を撮った後、主人がブルーライトをブロックするサングラスを付けていて、それで湖の色を見るとライムみたいな色になって面白いとジュリと主人がサングラスの掛け合いをしているのを振り返って見つつ(私はだいたいハイキングは先頭)、トレイルを進もうと前を向いた時、少し前をライオンみたいな大きな、猫のようなしなやかで、でもしっかりとした足取りの腰の高い茶色の動物がトレイルを横切って右の森の方へ歩いて行くのを見ました。私がしっかりと見えたのは前右脚1本と、後ろ脚と長いしっぽだけ。
信じられなくて、一瞬止まる。
「見た?今の。あれ、クーガーだった、と思う。」と、後ろの2人を振り返ると、主人はサングラスを取り合っていて見えなかったと。サングラスをかけていたジュリは「黒い大きい動物のお尻が森に入るのを見た」と。「誰かトレイルを歩いている人の犬じゃないの?」と主人。「犬では絶対にないし、狐でもない、しっぽで分かる。ものすごく大きな猫っていうかライオンだった。」と私。
リンクスの季節だというからリンクスかもしれないと思ったけれど、家に帰って写真を見るとリンクスのしっぽがすごく短いことがわかって、クーガーの写真を見たら、まさに胴からお尻にかけて、そのままだった。でも、人がいるトレイルをそんな風に見向きもせずに襲いもせずに横切ることなんてあるんだろうか。。。と疑問に思ったけれど、主人は別にお腹もすいていなくて邪魔でもなければ普通のことだと言います。ジュリも私ほどの身長があるし、主人も一緒なので大丈夫だったのかもしれない。
私たちの暮らす町のすぐ外にもクーガーたちは暮らすのだけれど、そう聞いても実際に見たことはなかったので、大自然ということを改めて感じて身が引き締まりました。グリズリーベアも怖いけれど、クーガーは相当怖い。
風もなく、とてもいい天候で、リスも、ロビンや小さな鳥たち、アヒルなども見ることができました。茶色のリスはやっぱりとてもかわいい。
外をこうやってしっかりと歩くのは久しぶり、空気が気持ち良くて、木の香りがとても良くて、体、心、頭が喜んでいるのを感じながら歩きました。
帰りは道路からまぁたくさんの羊を見ました。道路の脇にも丘の上にも、あちこちに。
もうマウンテンシープとエルク、鹿、に関しては見慣れているので距離があって飛び出す様子がない場合は車のスピードも特に落とすことなく進みます。それでもこんな写真が撮れました。
夏にまた来るのが楽しみです。もっと色が増えて違う表情を見せてくれるでしょう。
今回結構ショックだったのが、枯れたパイン(松)の木があまりに多かったこと。これがまた小さな、でも大量のパインビートルという虫のせいだと聞いて(ジュリが学校で習ったことを教えてくれました)、びっくり。だって、ハイウェイから見える山々のかなりの部分が赤く見えて、よく見るとそれが枯れたパインツリーだと知ったからです。そのビートルは寒い気温がある期間続くと生きていけられないのだそうです。この冬は暖かすぎたのだろうか。。。赤茶の山を見て、こういうことに疎い私ですら心配になりました。
ジャスパーの町で観光に来ている人たちをたくさん見ました。まだまだ寒くて緑も少ないけどカナダの自然を楽しめたかなぁ。。。そういえば、初めてヨーロッパを旅した大学時代、なるべく安い時期ということで寒い2月、それでも30万円近くかかって行かせてもらって、見た場所ひとつひとつ、こんなに美しいところに暮らす人たちの生活を想像して羨ましく、憧れたものだなぁ。。。と。ぼんやりと眺めながら、そう言えば、初めて私たちの町に主人の仕事の面接できた時、「世の中にはこんなに素晴らしい世界遺産のエリアに暮らす人たちがいるんだ!」とその眺めの雄大さに感動して思わず言ったことを思い出しました。旅と生活は全然違うけれど、いつまでもここの生活が続くわけでもないだろうし、しっかりと置かれた場所に感謝して日々を大切に過ごさないとなぁと帰り道に考えながら、山に囲まれた町に戻りました。
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