編み物歴8年。(これは新しく挑戦した編み物の覚え書き、ものすごく長いです)
1か月かけて作った、私の初めての「スティーキング」のあるカーディガンです。
スティーキングはすごく簡単に説明すると、今回のカーディガンの場合、カーディガンだけれど、セーターのようにつなげて輪にして編んでから、切りしろの処理をして、はさみで前中心を切り、カーディガンにする、ところのはさみで編地を切ることを指すのだと思います。同じテクニークは、フェアアイルで編んだベストの襟ぐりのあたりをVにする時にも使われてます。
編み物を始めてから数年は三國万里子さんの編み物の本にはまり、結構彼女の作品を編んできたけれど、その本(私は6冊三國万里子さんの本を所有しているけれど、その中の5冊にスティーキングを使ったフェアアイルの作品がある)の「スティークの始末の仕方」という写真付きの説明を見ては、こんなテクニークがあるんだ。。。編んだものを切るなんて。。ほどけないのか?どうなってるんだ?と、思ってきたけれど、まず、フェアアイルのようないろんな色を使って編むのがどちらかと言うと苦手で、「へぇ。。すごいもんだなぁ。」と、ぱらぱら見るだけでした。
このコロナ自粛で、仕事も辞めて本当に家にいて、毎日必ず、数分でも数時間でも編みものをしている自分に気づいて、編み物があって良かったなと何度も思う日々。それならば、似たようなものばかり編んでいないで、苦手と思ったり、難しいから。。と思ってきたものに向き合って時間をかけて挑戦するいい機会かもしれないと思って選んだのが「スティーキング」のある作品でした。
左のラベルに「正真正銘、本物のシェットランド・ウールです」と注意書きがあって驚きました。英語でもリアルのだと記載されてるけれど、外国語は日本語だけ。なぜ日本語だけ?需要が多いから?それとも日本だけ疑うことが多いから? |
パターンはラヴェリーから。サンプルは明るいピンクだけれど、黒をベースにしてみたくて、いくつか色を取り寄せました。以前はもともとケチり症な私は「編み物の本の指定糸を買う」ということは自分のスキルに対して高価すぎてできないと感じていて、「三國万里子さんが使っているから高価に違いない」と勝手に思い込んでいたシェットランド製の糸は25gで6ドルほど。カーディガンを作るのに黒8つ、グレー4つ、そしてヨークの部分の色4つ(でも少ししか使わない)、全部合わせても100ドル以下で、これで新しい技術を勉強できるのならいい値段だと思って、自分で思い描いた色の組み合わせをネットで探して注文しました。
数少ない組み合わせをぬりながら考える。 |
買ったもので編むと、なぜこの色を。。。と思う位、気持ちが悪い色合い。 |
ネットでの毛糸の買い物は難しい。ヨークの部分に使いたいと思った色はどれもオンラインショップの写真よりも随分と明るいものが届いて、ものすごくがっかりでした。いろいろ考えて編んでみるも、こんな色合いのカーディガンは着ないと、いつか実際にお店に行って手に取って色を比較しながら選べる日までこのチャレンジは取っておこうと何度か箱にしまおうとしたけれど、最後に、オーダーしたものとは違う、ずっと毛糸箱の奥にしまってあったウール100%の同じ細さの糸たちを使って編んだらどんなものか見てみようと編んだ色合い、これならば、まぁ欲しかったものとは程遠いけれど、できたら着るんじゃないか、いつになるかわからない毛糸屋さんへ行くことを待たずに編み続けてもいいんじゃないかと、そのまま進むことにしました。
ウキウキする色合いではなく、進みはかなりゆっくりでした。どうにかモチベーションをあげようと、編みながら使っている糸を見て、何かワクワクするものを連想できないだろうかと考えていました。ちなみに、糸を交換したり、模様を編んだりすること、そこまで大変でも嫌いではないなとも感じ始めていました。
お茶のような薄い緑だしねぇ。。。と編みながら思っていた時に、「ん!これはまさに鎌倉で食べたあれだ!」と思いついた瞬間がありました。
お茶の緑、あんこのえんじ色、うす紫は紫芋のアイスクリーム、クリームは練乳。茶色は木のテーブルに黒はお盆としよう。
そうか、鎌倉の紫陽花かき氷のカーディガンを編んでいるんだ!と。
それから編むたびに、あの暑い夏と、暑すぎて甘すぎたこのデザートだけれど、懐かしい日本の夏を連想して、嫌いでなくなってきました。
さて、スティーク。
スティーキングをするために真ん中に7目の切りしろを作ってそこで糸を変えたりしながら模様を編んでいきます。胴体がすべて編みあがった後に、スティーク用の切りしろを残して、その両側にボタンのつくバンドとボタンホールのあるバンドを編みます。
シェットランドで作られるこの毛糸はフェアアイルに向いていて、糸が絡まりやすく、模様がきれいに出るのだそう。今までこの糸を使ったことのない私には、ものすごくごわごわした、ガシガシ編むイメージの糸だと感じました。太さも均一でなく、編んだ後はほどけにくいなという印象がありました。切りしろを切る前の処理の方法はいろいろあるのだそうだけれど、私は初心者ということ、あと、すべてをJamiesons & Smith の糸でなく、手持ちの糸もヨークの部分に入れてしまったというのもあり、切るラインの両端を念入りにミシンで縫っておいてほつれないようにすることに。
自分で切るところがわかるように、ピンクの糸で縫いました。 |
そして、切りしろの周りにボタンホールバンドと、ボタンのつくバンドを編み、これでスティーキングの準備は完了です。
主人がとってくれた写真。慎重に切り進めました。 |
スティーキングを最後の作業にしたかったので、袖を先に済ませ、糸の始末もしてから、主人とジュリも呼んで2人に見てもらいながら切りました。編んだものをじょきじょき切るのはやっぱりちょっと怖かったです。ほどけないものなのかな。。と。
切れました。
洗って、ボタンをつけて、完成!カーディガンは8月中旬にできたけれど、ボタンがなくて、いろいろ探してEtsyで見つけたお店から取り寄せたので(オンタリオから2週間もかかった!)、届いた今日ボタンをつけて完成しました。本当は気持ち大きめのボタンが欲しかったけれど、黒で貝で・・と探してもなくて、結局木の黒いボタンで。いつか手芸屋さんに実際に足を運べるようになったら貝のボタンを探したいです。
初めてのスティーキングを使ったカーディガン。
鎌倉の紫陽花かき氷色と言えど、すごく好きな色の組み合わせではなかったけれど、向き合った時間が多かったし、新しい挑戦だったので、嬉しい1枚になりました。この冬はコロナ自粛期間に没頭して編んだ服が活躍しそうです。
2 comments:
こんにちは。
こんな手法があるんですね。勉強になります。
ハサミ入れるときはドキドキですねえ。
erikoさんの作品は色もきれいで見ていてワクワク楽しいです。私は常に、作ったら着るか(使うか)の基準で、しかも自分のワードローブに合わせて編んでいるので、地味。カラフルなものや絵柄ものに挑戦することがなかなかできません。毛糸も高いし、ケチなので(笑)。いつかカラフルなもの編みたいと妄想はしています。
スティッチマーカーも素敵ですね。私のは編み棒についてきたヤツを使っていてつまらない。
気に入った小物を使えば、編み物もより一層楽しくなりますね。今年はカラフルな編み棒セット買おうかなって考えています。
赤毛のアン、私は数回見てダメでした。グリーンゲイブルスのインテリアなどはすごく素敵でしたが、現実的すぎちゃって、私のアンのイメージが崩れてしまいそうだったので...原作やメーガンフォロウズの映画のままでとどめておいています。でもerikoさんみたいに私もいつか娘とアンを読めたらいいなって思います。
お仕事、思うことがたくさんあると思いますが、頑張って下さい。みんなerikoさんが戻ってきて、きっと嬉しいと思います。
長くなりましたが、近いうちにまた遊びに来させて下さい。それではー
Kanaさん、こんにちは!
コメントどうもありがとうございました。
毛糸、高いですよね。。。でも手染めの糸など編んでいると色の変化が楽しくて、大切に扱うので、カナダではほとんど服を買わなくなった自分へ、毛糸を楽しんで長く長く着れるものを編もうと思っています。私もずっとプラスチックのピンクとかミント色とかのスティッチマーカーとか使っていました。少し気に入ったものに変えるだけで気分も変わるなぁと思っています。今は針も道具も本当にいろんなものがありますね。
私はもともと赤毛のアンのイメージがなくて、多分小さい頃に本を1回読んだか、アニメを見たか、そのくらいで、大草原の小さな家の本にはものすごくはまったのを覚えているのですが、赤毛のアンは印象が強くなく、映画も見たことがないんです。Kanaさんの「現実的過ぎて」というの、すごくよくわかります、それを昨日娘と話したばかりでした。今、2冊目を娘と読んでいます。主人は「いつかPEIに行きたいってきっというだろうな。。」と言ってます。Kanaさん行ったことありますか?私の友人は2年ほど前に行って、「AnneやGilbertにも会えるよ。」と言ってました、それを聞いて私はかなり微妙に感じています。いやぁ。。会いたくないかもなぁ。。。と。ヘリテージパークとか、その時代の人たちになりきってその時の暮らしを演じている人たちを見るのは楽しいですが、本の主人公となると、本が映画やテレビ番組になるのと似たように、微妙な気分になります。でも、舞台となった自然を見てみたいなぁという気持ちは本をどんどん読んでいくうちに感じます。
仕事のこと、ありがとうございます。コロナでずいぶんと生活様式が変わった今、図書館から発信できることは何かなぁ。。と考えながら、もう一度機会をもらえたことを感謝して頑張ります。
今日は雨という予報でしたが、晴れに変わりました。久しぶりにトレイルを歩いて秋の様子を見てこようと思います。こちらは朝は0℃近くまで下がるようになりました。短い夏が終わったんだなぁ。。と感じています。
どうぞ良い週末を!
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