Thursday, February 25, 2016

「ありがとう。」

ふぅぅぅぅぅ。。。。と、一息をついてみる。
この1週間は、張り切りすぎた。気持ちはまだまだ若い30代、でも体は40。やりたいことがいっぱいで、何にでも「Yes!」と言ってしまうのだけれど、バランスを考えようと思った週でした。

仕事のなかった先週の金曜と昨日、地元の小学校の先生方から今年も依頼を受けて、2年生と一緒に書道をするボランティアをしてきました。去年までは仕事をしていなくて、すごく時間があったから、書道を挑戦してくれる生徒全員分の名前を筆ペンで書いたしおりを作って、彼らが書道する時のお手本兼お土産みたいな感じで渡していて、すっごく時間があったからそれを準備するのも楽だったのだけれど、今年は本当にドタバタ。それでも、どうにか40人分準備して持っていきました。

前日夜8時まで仕事で、家のこともたまっていて、今週に入ってジュリとはすれ違いでトータル1時間くらいしかちゃんと一緒に時間を過ごせていない。昨日は朝から昼間まではうちでガールガイドのリーダーミーティング(そのために朝一から掃除)、そしてサンドウィッチを10分で食べて小学校に書道をしに出かけたので、一応昨日は「仕事のない休日」なんだけれど、実際は仕事の日よりもずっと忙しい日で、本当に体が疲れて「あぁ、こんなに忙しい時にボランティアなんて引き受けなきゃよかった。。。」と、小学校に歩いて向かいながら、ちょっと思ってしまったのが本音でした。でも、教室に着いてドアを開けて、「この人は何をやってくれるんだろう」という興味津々で嬉しそうな子供たちの目を見た瞬間から、そんな気持ちはどこか遠くに飛んで行って、昨日もまた、本当に楽しい3時間を子供たちと過ごさせてもらいました。

「そうか!海に囲まれている島国だから、お魚がいっぱい取れるんだね!」
「海が近いってどういう気持ち?すぐに行けるっていいな~!」
「ニューヨークの写真を見たことがあるけれど、東京の写真、少し似ている気がする!」
「え!?忍者とか寿司って日本語なの?照り焼きも?知らないで使ってた~!」
「うわぁ~!その字(カタカナのツ)はスマイルの顔みたいだね、これ(イ)はyが逆立ちしてるみたいだよ。」
「川っていう漢字、狐のしっぽが3本みたいに見えたから『しっぽ』って意味かと思ったよ。」

いつもはじめに日本についてと、日本語についてを簡単に30分ほど話して質問を受けるのだけれど、毎回子供たちの質問が興味深い。漢字の成り立ちのクイズをする時の、答えがわかった時、もともと大きな目がさらにひらめきと嬉しさで大きくなる瞬間、笑顔になる瞬間、本当に疲れなんて吹っ飛んで、楽しませてもらいました。こっちの先生とかゲストが話すのよりも、私の話はずっと聞き取りにくいと思うのだけれど、みんな熱心に聞いてくれることもすごくありがたく感じます。

その後は、ひとりひとり呼んで、名前をしおりを見ながら筆で半紙に書いてもらって、それを画用紙に一つ一つ貼って廊下に展示するまでが私のボランティアの仕事なんだけれど、時間が押して、「あぁ、今日もギリギリだ、間に合うかな、急がないと。。。」と思った時、自分の名前を書き終わって、それを眺めていた小さな女の子が筆を置いて、「ねぇ、エリコ、『Thank you』って日本語だとどういう風に言うのかなぁ。」と小さな声で聞いてきてくれました。「日本では『ありがとう』って言うんだよ。」と、伝えると、にっこり笑って私を見て、「あーりーがーとーう」と言って、ぺこっと頭を下げて、またにっこり笑いました。

私はすごく驚いて、" You are very welcome." というのが精いっぱいで、ルンルンルンル~ン!としおりを持って自分の席に戻る彼女を見ながら涙が出そうでした。本当に嬉しくて、心が温まるってこういうことだと体で感じるくらい、彼女のその気持ちに、今まで家で準備してきたこと、これを何年もやっているけれど実はまだまだ人前に立って話をすることに自信はなくて、毎回、数日前から子供たちの前で話すことをずっと、もごもご練習してきたこと、全部の努力がふっと報われたように感じた瞬間でした。子供ってすっごいな。

ジュリが卒業しても、こうやって私をゲストスピーカーとして呼んでくれた学校に感謝。
そして、書道にしても折り紙にしても、何度もできるように充分な数の道具を送ってくれている日本の両親に感謝です。

ありがとう。



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