ジュリは学校でカナダの政治家とか国会とかそういうことを学んだそうだけれど、私は今まで(日本にいた時も)政治が本当に苦手でしっかり知ろうともしてきませんでしたが、さすがにこのコロナウィルスの影響でニュースを見ることが多くなり、毎日見ているうちに、こういう緊急事態に本当のリーダーシップを持つ人というのはどういう人か、と考えたりするようになりました。
ほんと、恥ずかしいほど政治のことをわからないからこそ毎日普通にテレビを見ていて思うこと。
カナダのジャスティン・トゥルードー首相は毎日本当に真摯に家の前に出てきて状況を話す。質問にたくさん答えて、フランス語と英語を通訳なしで両方で繰り返し話す。表情を見ていても、前を向いて、どんな質問でもうろたえることなく感情的になることもなく落ち着いて話す。普通にできそうでなかなかできないこういうこと、すごいと思います。主人はこの首相はそういうことをずっと練習してきたからそれが身についているんだと言います。
しかも、教師をしていたという経験があるからか、それとも幼い子供がいるお父さんだからか、子供たちにもカメラに向かって話しかける。昨日は、それまでにカナダ中の子供たちからCOVID19について質問を受け付けていて、その子供たちの質問にカナダのタム主席公衆衛生官と一緒に答えていました。それも事務的に答えるのでなくて、すごく気持ちがわかるよ、友達に会えないと寂しいよね、でも、君たちが家にいることでこのウィルスと戦ううえでの大切な役割を果たしてくれているんだ、一緒に頑張ってくれて本当にありがとう。みたいに、話す。さらに、「隔離」のプロ、宇宙で何か月も地球から離れて暮らす宇宙飛行士にも隔離のコツを聞いたりして、大人だけでなくてそういう子供たちや若者の層にも手を広げて同じ目線になるところが、なかなかこういうことする首相とか大統領っていないんじゃないかなと思ったり。
話し方と言えば、アルバータ州のアルバータヘルスのリーダー、ドクターヒンシャウ、この方が平日は毎日アルバータ州での感染者数など、新しく加わったルール、検査の仕方などの話をするのだけれど、ものすごく落ち着いて州民に話しかける、首相と同じようにどんな質問が来ても落ち着いて知識豊かに答える、すごく素敵な女性だと毎日見ながら思います。
彼女にしても首相にしても若い。国民州民が不安な時に、こういうルールがあるのでこれに従ってくださいと一つ一つしっかり理由を詳しく説明する姿が、安心感を与えるというか、一緒に頑張ろうと思えるというか、いいリーダーの姿なんじゃないかなと思います。
ちなみにさらにカナダ、保証もものすごく速い。
コロナウィルスの影響で仕事がなくなった人、ウィルスにかかって隔離され仕事できない人、子供が家にいるため仕事に出られない人など幅広い国民を対象に、対象者のルールはあるそうですが(例えばカナダの移住者15歳以上、年間5000ドル以上(約40万円)の収入がある、など)、1か月2000ドル、最大4か月までの支援が始まりました。影響のあった企業へのサポートもあるようです。
しかも、どんどんと、例えば2か月間夏にバイトで学費を稼ぐ大学生たちが働けないかもしれない状況のサポート、ホームレスの人たちを救うシェルターの確保、生活が厳しくて食料をなかなか手にできない人たちのためのフードバンクのサポート、などなど、どんどん追加されて、動くのが早いなと思います。
ジュリはこれで学校が閉まって友人等に会えなくなって3週間、でも元気にしています。月曜日には学校の先生から課題やオンラインクラスのスケジュールが送られてきて、今週も約1時間ずつ、明日は国語のクラスと数学のクラス、水曜日は社会のクラス、木曜日は理科のクラスがライブであるので、時間に遅れないように5分前にはコンピューター/カメラの前に準備して講義を聞いて質問したりしています。課題もどの教科もしっかりと送られてきているので、スケジュールを確認しながら勉強を進めています。オンラインテストもありです。
学校の先生たちがものすごく頑張ってくれています。みんながオンになって、顔を見ながら出席を確認、「久しぶりだなー。春休みだったのに家に毎日いるのはきつかったと思うけれど、どうだ?元気にしているか?」春休みから開けて初めてのオンラインクラスで聞こえてきた先生と生徒たちの声はみんな嬉しそうで、なんだかちょっと感動してしまいました。生徒想いの先生たち、すごくありがたい。
その「先生」の一人である主人もすっごく生徒のことを考えて頑張っています。オンラインクラスはもちろん、夜には授業のビデオを家で撮って、朝アップロードして生徒が見られるようにしています。生徒たちもそうやって頑張っている先生のこと、わかってくれているようです。オンラインでクラスをやって「じゃ、また次の授業の時に会おう。」と主人が言って、「バーイ!」と生徒たちが画面からオフラインになっていく中、一人の男子生徒が「大好きだよ、OO(苗字)先生!」と言ってオフになりました。高校3年生の見た目は大人みたいな生徒たち、主人のことを慕ってくれて嬉しいな。廊下を通り過ぎた時にそれが聞こえて私、泣きそうになりました。みんな不安な時期だから、それが分かっている先生たち、子供たちのためにものすごく頑張っています。
素晴らしいリーダーたちは身近にもいっぱいいっぱいいると、日々感謝です。
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